毎週水曜日に「まえばしCITYエフエム」から放送している「はじめのまえばし心の旅」。
昨日9月1日のテーマは、「焼きまんじゅう」でした。
「焼きまんじゅう」は、知らず知らずのうちに群馬県人の心に刻まれた味。
放送後のメールの反響もなかなか多く、中には焼きまんじゅうのお仕事をされている方もいらっしゃいました。また、リスナーさんのメールには、文章力・表現力も素晴らしいものが多かったですね!
音声データはこちらからお楽しみ下さい。
早くも9月。季節は秋となり、「食欲の秋」に前橋の食べ物を考えたら、やっぱり「焼きまんじゅう」が出てくる。幕末発祥と言われる焼きまんじゅうは、前橋の名物であり、前橋っ子のソウルフードだろう。
つやつやの白い発酵まんじゅうを串に刺し、火の上に乗せる。そこに、大きな刷毛であの独特の味噌だれをつけると、何とも言えない香ばしい香りがただよい、前橋っ子の食欲を刺激する。
あの香りはけこう強く、学校から家に帰ったときに焼きまんじゅうがあると、匂いですぐにわかった。家族によると、「◯◯さんが持ってきてくれたよ」とのこと。そう、焼きまんじゅうは、誰かのお家に行く時の手土産にも重宝した。
食べるときは、串からひとつひとつ外してお皿に盛り、フォークやお箸で口に運ぶ。まあ、一口では無理だ。発酵まんじゅうのふかふかした食感と、それを包むたれのねっとりした食感を口の中で感じる。ふかふかした生地を噛んでいくと、味噌だれの味と香りが口の中に広がる。まんじゅう自体は空気を多く含んでいるせいか、見た目の大きさから想像するよりも、たくさん食べることができる。
そしてお約束なのは、食べた後は口の周りがタレだらけになることで、時には手にも付く。
焼きまんじゅうのお店は、前橋市内にもいくもあり、味などが違う。どの家庭も、お気に入りの焼きまんじゅう屋さんがあるだろう。我が家は下小出の田中屋さんだ。
たまに祖母が、「田中屋さんに連れて行って」と言うと、「焼きまんじゅうを食べたくなった」という合図だ。車を出して田中屋さんにいくと、餡子入りが食べたい祖母と、あまり食べたくない私の静かな口論が展開されることがある。
「いらないよー」「これもおいしいじゃない」
まあ、いつも両方買って行くのだが、、、
この、焼きまんじゅうのあんこ入りをどう思うか、これも隠れた前橋の論争のテーマだろう。
コロナ前は、年に一回、私が卒業した都内の大学の卒業生向けのイベント「ホームカミングデー」に、群馬県の卒業生で焼きまんじゅうを売りに行っていた。都内の方(かた)は、「まんじゅう」という名前から想像する姿からかけ離れたビジュアルと味に、最初は戸惑う様だ。最初の年は売ることに苦労したが、2年目からは一口サイズの「コロ焼きまんじゅう」にしたら、けっこう売れる。群馬出身の方からは、「懐かしいね」と声をかけていただける。
この反応を見ると、きちんとどんな食べ物であるかを発信し、食べやすいサイズで展開すれば、全国で売ることもできるのではないかと思う。
また、まちなかの中央イベント広場に、焼きまんじゅうのお店や、最近話題の焼きまんじゅう味のマフィンやおせんべいなどのお店に集まっていただき、「焼きまんじゅうフェス」をしてはどうだろうか。
コロナ後の群馬の発信や、まちなかの賑わいに、「焼きまんじゅう」はいかがでしょうか?
放送日:令和3年9月1日