みなさんこんにちは。群馬県前橋市の 箏曲家 鈴木創 です。

昨晩6月9日、高崎市文化会館で行われた、
「第12回下平克宏演能の会 高崎公演」にお伺いしてきました。 

そう、お能を見てきたのです。

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高崎市出身の観世流能楽師下平克宏先生とのご縁を頂戴して以来、3回目のお能ですが、見る度に、その魅力に引き込まれます。

今回は、「能にみる 親子の情」がテーマで、狂言は「舟渡聟」、能は「隅田川」が上演されました。狂言は、野村万作・萬斎親子が出演。

今回、能を拝見し、私が感じたのは、「そぎ落とされた表現」です。
母親が子の死を悲しんで泣く場面では、少し下を向き、ゆっくりと両手を目の前にもってくる、その動作だけで嘆き悲しみ泣く場面を表現するのですが、それが見事に母親の感情を表現し、伝わってくるのです。

能は、シンプルな舞台で、セットもなく、最低限の小道具で演じます。
無駄や虚飾を廃し、最低限の動作で表現します。
でも、伝わるのです。

それが、「間」を生み、なにもしていない時間・瞬間が語り、観客に感じさせています。

自分の芸にも生かしたい表現です。

そして、約700席のホールが満席になり、高校同級生を中心とした後援会組織がある。私ももっと自分の芸を磨いていかなければ、という想いを新たにしました。