こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家、鈴木創です。

11月27日の「歌と邦楽器によるコンサート 祈り、想ふ」の演奏曲目についての3回目です。

1回目は、ユーミンや中島みゆきさんの曲について、2回目は、群馬や前橋に関係した曲についてお話をさせていただきました。

3回目の今日は、お箏らしい曲も演奏するので、その曲目についてお話させていただきます。

一曲目は「秋風の曲」。

江戸時代後期に活躍した光崎検校の作曲です。
題材は、玄宗皇帝と楊貴妃の物語、白楽天です。

玄宗皇帝は楊貴妃を寵愛するあまりに政治が疎かになり、 安史の乱を招きます。
反乱の中で、皇帝は寵妃の殺害を命じざるを得なくなります。 
反乱が落ち着き、皇帝たちは都に戻りますが、半軟禁状態に置かれ、そこには愛した楊貴妃はいません。

それを当時の日本語で謳っております。
お箏の調子(チューニング)はこの曲のために作られた特別のもの。
華やかさと寂しさ虚しさを同時に感じる大曲です。

失った大切な人を想う曲です。

もう一曲は「春の海」。
宮城道雄作曲作品で、お正月は誰でも耳にするあの曲です。
でも、テレビなどで流れるのは冒頭部分で、なかなか全曲をお聴きいただいたことはないのではないでしょうか。 
「新年」というわけではないですが、来年はいろいろなことが再始動することを願い、演奏いたします。 

まちなか音楽祭オモテ