毎週木曜日は、ほぼ恒例で「はじめのまえばし心の旅」の原稿を公開しております。
昨日8月18日放送分のテーマは、「敷島公園」でした。
前橋で育ったみなさんは、子供の頃から何らかの思い出があると思います。
中体連や高校総体、野球やサッカー・ラグビー。
また、夏休みには「ホリデイン前橋」や「まえばし道路フェア」といったイベントなど。
この夏休みの時期に合わせたテーマといたしました。
音声データはこちらからどうぞ。
前橋市⺠の代表的な憩いの場、それは敷島公園だろう。広い松林は、幼稚園の頃からピクニ ックに訪れ、松ぼっくりを拾ったり、小川で水遊びをしたりした。ボート池では、最初は大 人にボートを漕いでもらっていたが、やがてアヒル型ボートのペダルを漕げる様になり、そ の後オール式も漕げる様になった。大人になったら、夏休みの「前橋道路フェア」などのイ ベントで、お子さんに重機の体験試乗をさせてあげる方になった。その時も、松の木陰で一 休みするのが気持ちよかった。
バラ園は、子供の頃は面白さがわからなかったが、大人になってみると、植えられているた くさんの種類の薔薇を見比べるのが楽しくなった。
河川敷では、バーベキューをした。昼からビールを飲み、焼きたての肉をいただく。酔っ払 った体で片付けをしたのも、楽しい思い出だ。
敷島は、スポーツの拠点でもある。子供のころ、「あかぎ国体」、いわゆる「ごーはち国体」 にむけて、陸上競技場が整備された。開会式に参加するために、町内の山車を引っ張って敷 島まで行ったが、校庭の土のグラウンドしか知らない小学生にとって、初めて見る合成ゴム で仕上げられた「タータントラック」の見た目や感触が驚きであり、表面の細かいつぶつぶ をちぎって遊んだ。
祖父が高校野球に関係していたので、敷島球場には数えきれないほど行った。中学生の時は テニス部の試合、その後はラグビーの応援などでも敷島に行った。今でも、高校野球の応援 や、たまにザスパの試合観戦にも行く。そして、大きな室内プールや、河川敷には少年野球 やゲートボールのスペースもある。
公園内にある「楽々園」というホテルは、私が子供の頃に現在の建物に建て変わった。神奈 川在住の父方の祖父母が前橋に来ると常宿にしており、祖父は起きると敷島公園を散策し ていた様だった。2階の階段を上がったところには大きな窓があり、すぐ隣の豊かに広がる 浄水場の芝が美しい。今、以前の経営者のお孫さんが、復活に向けて頑張っている様だ。
この様に敷島公園は、緑溢れる憩いの地であり、かつ、スポーツの拠点でもある。老若男女 が楽しめる場だ。東京で言えば、オリンピックで注目を集めた神宮外苑や代々木公園の様な 場所といってもいいだろう。
敷島は、その魅力がまた注目されていて、新しいカフェなども多い。また、一帯には、昔か
らレストランなどが多くあり、街全体が落ち着きのあるおしゃれな街になっている。決し て、せかせかと通り抜ける場所ではない。松林に吹き抜ける風を感じ、ボートでゆっくりと した時の流れを楽しみ、バラの色を目で楽しむ。レストランやカフェでゆっくりと味と香り を堪能する。そんな、五感を刺激してくれる敷島に、また行ってみたくなった。