こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家鈴木創です。

2月20日から21日にかけて、都内に行って来ました。

20日の夜は、定期的に集まる面々との会合。
それぞれの分野で力を発揮されているみなさん。
今回は、メンバーの一人がある公職に就かれたお祝いの席でした。

翌日は、久し振りに一日東京で過ごしました。

まず、この日の最大の目的。
東京国立博物館で行われている「出雲と大和」に行ってきました。


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正面にある、上の写真の建物前に行ってみたら、ちょっとしたフェイント。
隣の「平成館」で開催しているとのことです。 


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出雲はご縁があり、いままで2回行ったことがあります。
海が有り、宍道湖があり、平野があります。一畑電車という2両編成の電車にのり、太陽に照らされた宍道湖を見ていると、昔から豊かな土地だったことを感じます。

今回の展示は、出雲の歴史と文化のとそれらの大和との関連を軸に構成されています。
出雲は古代の青銅器に始まり、その後四隅突出型墳丘墓(古墳)の出現により、土器を使ったの祭祀の文化に移ります。さらには仏教の影響を受け、仏像や寺院が権力者の力の象徴になっていく。その過程で、大陸や朝鮮半島との独自の繋がりや、大和との関連性などが視覚的に伝わる展示内容でした。

その中で、展示されている出雲大社関係の資料から、その歴史的政治的位置づけ、社殿の変遷なども感じられます。

荒神山遺跡の写真や、そこから実際に出土された銅剣が展示されているのですが、なぜあの様に大量の剣を並べたのか、そのストーリーに想像が膨らみます。


たっぷり2時間かかりました。

その後、敷地内や上野駅との間の建物を見て回りました。
上野は、名建築の宝庫ですね。

表慶館。赤坂の迎賓館などを設計した片山東熊の設計。
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法隆寺宝物館。谷口吉生の設計。同日人物によるニューヨーク近代美術館と似ています。入り口の自動ドアの収まりが面白いですね。
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旧池田家の門。その後、宮家の門などにも利用されていました。
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黒田記念館。歌舞伎座・明治生命ビル・鳩山邸などを設計した岡田信一郎による。
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国際こども図書館。旧帝国図書館。
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旧博物館動物園駅。中川俊二設計。
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日本芸術院。私が一番好きかもしれない建築家、吉田五十八の設計。
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前川國男による東京文化会館。
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コルビジェによる、国立西洋美術館。
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裏側は、異なった表情を見せます。
このタイルもいい雰囲気ですし、そこに入り込む打ちっ放しのバルコニーとのコントラストもいいです。個人的趣向炸裂ですいません、、、

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国立科学博物館。1930年竣工。
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上野の散策の後は、広尾の明治屋に。
駐車場には、品川ナンバーの高級車がずらりと、、、
そこに前橋ナンバーの僕の車が、、、
でも、車を駐める区画が広くて助かりました。 

目的は、タマゴ買うことです。
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このタマゴ、知人が出雲で作っています。
東京で売っているのが、広尾の明治屋さんだけとのこと。
鶏を平飼いし、人間よりもこだわった餌を食べています。
あ、この会社では、餌と呼ばずに、「お食事」と呼んでいるそうです。
1つ300円。食べるのが楽しみです。 
出雲に縁がある一日です。

次の目的地は、等々力渓谷
本当に、住宅が建ち並ぶ一角に、いきなり川と渓谷があります。
23区内とは思えない静けさで、心が洗われます。
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書院と芝の広場もあり、近所の方が散歩などをされていました。
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その後は楽器屋さんに立ち寄り、修理をお願いした楽器などを受け取りました。

最後の〆は、やっぱりラーメン。
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下赤塚にある、 私が大学生の頃からたまに行くお店です。
当時からちょっとお店が大きくなりました。
スープの味、麺がちょっと変わりましたね。

今回東京に行って思ったことをいくつか。 

まずは建物のこと。私が建設業界にいたからでしょうか、当時「建物の老朽化」という言葉を良く聞きました。 それらの建物は、築40年程度です。
今回見て回った上野にある建物は、ほとんどがそれらの建物よりも長く使われていて、100年を超える建物もあります。改修工事をして、命を吹き返した建物もあります。
もちろんメンテナンスには手間もお金もかかっているでしょう。
今の様に、コストを下げることを重要視して、サイクルが短い建物を作るよりも、 
建物を作るときにしっかりとお金と手間と知恵をかけて作った建物を、メンテナンスをしながら長く使う方が、社会的なコストや建物の文化的な側面を高め、社会的な意義があるのではないかと思いました。

それと、都内を回っていると、いたるところで再開発や大規模な建設工事が行われています。いつの間にか建て替えられた建物もあります。また、お店も新しいお店ができていたり、改修されているお店もあります。
街を歩いている人は綺麗な服を着て、道にはきれいで新しい車がたくさん走っています。時には、群馬にはないような、高級な車とすれ違います。

常に変化があるという良い面なのでしょうが、それができているということは、やはり日本は、特に東京は十分に豊かなんだな、と感じました。

経済成長を求めることはとても大切なのですが、現状を受け入れて、短期で結果を求めずにもっと長期的な視点で物事に取り組み、社会的な幅を広げ、人々の心を豊かにする社会に向けていくことが、これからの日本には必要なのではないでしょうか。