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箏曲家 鈴木創 公式ブログ「ことはじめ」

群馬県前橋市を拠点に活動する箏曲家鈴木創の公式ブログ「ことはじめ」です。

和楽器バンド

30 8月

和楽器の魅力

こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家鈴木創です。

邦楽ジャーナルの最新号で、気になる読者投稿を見つけました。

作曲家・ギタリストの小仁田茂幸さんの投稿なのですが、
・ファンを増やすために、洋楽の技術や演出を和楽器に取り入れたり、洋楽の曲を和楽器で演奏するだけでは、本来の魅力は置き去りにされてしまう。
・倍音などの揺れも音楽として捉える感覚が、箏の魅力や邦楽の美意識である。
という様な主旨のことを仰っています。

このご意見は、まさに私と一緒なんです。

私も、パーティーなどの出張演奏で、お客様にその時間を楽しんでいただくために、パーティーを主催している組織に関係した曲や、その季節ならではの曲をお箏で弾くこともあります。

また、和楽器バンドなどの様に、ミュージシャン的に活動する演奏家がいらして、それが多くの方が和楽器に興味を持っていただけるきっかけになることはアリだと思います。

でも、洋楽器で作曲された曲は、ピアノなり洋楽器で演奏した方が、曲にも合っているはずで、お箏で弾く理由や合理性はないと考えます。

和楽器には和楽器の音があり、その良さを感じていただける曲をお聴き頂くのが一番なのではないでしょうか。

そして大切なことは、その曲を退屈に感じないよう、楽しんで頂けるような工夫をすることです。

それが、私たちに課せられています。

こういった指摘、本来であれば和楽器の演奏家から出るべきなのでしょうが、やはり外の世界から客観的に邦楽の世界を見ている方の意見は、とっても勉強になります。


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26 2月

「純邦楽、深刻な危機」という新聞記事が出ました。

こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家鈴木創です。

今日の朝日新聞に「純邦楽、深刻な危機 箏の年間製造数はたったの3900」という記事が掲載されています。 ネットにも記事が出ていました。ここでご覧になって下さい。

 かいつまんで内容を説明すると、
「お三味線の年間製作数は、1970年の18,000挺から、2017年は3,400挺に減少。お箏は同じく、25,800面から3,900面に減少。」というデータを紹介し、それに対する関係者のコメントなどで構成させております。

私は、「敷居が高い」「お金がかかりそう」というイメージを崩したいんですね。
そして、とにかく触れてもらうこと。

ですので、演奏体験なども行っており、身近なカフェ等での演奏も積極的に行っています。
また、お稽古やいろいろなことに必要なお金は明確にしてあります。
実際に楽器の値段やお月謝などを説明すると、「ふつうの金額なんですね」と仰って頂けることが多いです。

そして、一番大切なことは、音楽としての魅力を感じていただくことです。
ですので、少人数の編成の曲を生音で聴いて頂けるような場をつくることを心がけています。
大きな会場で、少人数の編成の曲をマイクを通して聞いても、絃楽器の魅力は半減してしまうと思います。元々御座敷芸から発達してきている音楽ですから、演奏者の息づかいが聞こえるような距離で生の音を聴いていただくのが一番と感じています。

私たちの年代の邦楽の専門家は、「お弟子さんがなかなか集まらない」「コンサートのお客様集めが大変」という実感を持っています。

ですので、いろいろな工夫をしている人が多いです。
「和楽器バンド」のようなやり方も一つの方法だと思います。
これからを生きる我々が、みんな工夫をして、情報交換をし合い、そして、お互いの音楽を追究していく。そんなことが必要なのではないでしょうか。
 
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