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箏曲家 鈴木創 公式ブログ「ことはじめ」

群馬県前橋市を拠点に活動する箏曲家鈴木創の公式ブログ「ことはじめ」です。

小学校

13 11月

学校訪問

みなさんこんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家鈴木創です。

今日は、前橋市内の小学校に行って来ました。
小学校6年生対象の和楽器の授業です。

2020-11-13 09.16.10のコピー

 お箏・お三味線の歴史や材料についてお話をし、そして実際の音を聴いていただくという内容です。

本来であれば体験もして欲しいのですが、密を防ぐことと、同じ物に触れることを避けることから、今回は体験はなし。

でも、聞いてくれた小学生たちは、真剣に興味深く聴いてくれました。
また、近所の学校に関係する方達も参加して下さり、少しでも多くの方に聴いていただけたことがうれしいです。

終わった後に、校長先生や担当の先生とお話しをさせていただき、今の小学校のことなどをお伺いしました。今後のことに生かして行きたいですね。

学校での「和楽器」の授業のお困りの学校関係の皆様、お気軽にご相談下さい! 
19 1月

パイプオルガンの設置作業見学。共愛学園小学校。

みなさんこんにちは。
はじめちゃんこと、群馬県前橋市の 箏曲家 鈴木創 です。 

みなさんは、パイプオルガンの音色を聴いたことがありますか?
パイプオルガンは、教会や一部の音楽ホールや、キリスト教系の学校などに設置されており、やさしいかわいらしい音がしますね。

2016年4月に前橋市に開校した共愛学園小学校
運営母体は学校法人共愛学園で、キリスト教主義の教育を展開している、こども園から大学までを要する群馬県で唯一の総合学園です。 
私は縁あって、現在共愛学園の後援会である「共愛学園賛助会」の会長を仰せつかっています。

その共愛学園小学校は、パイプオルガンを設置する計画があったものの、訳あって(後述します)開校時には設置されず、ようやく準備が整い、現在設置作業中です。

パイプオルガンの設置を見られるなんて、めったにない機会ですので、今日見学をさせていただきました。

その様子を報告させていただきます。
ちょっと長くなります。


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この写真が今日の様子です。

パイプオルガンは、フランスのガルニエ社のものを採用しております。

ガルニエ社のパイプオルガンの設置は、以下の様なプロセスを踏みます。

・1:設置する部屋の音響をテストし、どの高さの音が響きやすいか、また逆に響きにくい音はどの高さなのか、など、部屋の特徴を計測。

・2:1の計測結果を元に、パイプオルガンを構成するパイプの太さや、各パイプに開ける穴(歌口)の高さ、パイプに空気が入る箇所の穴の大きさなどを決定。

・3:そして、ようやく製作に入ります。

このプロセスをお読みいただけるとおわかりいただけるでしょうか。
実際に設置をする部屋のデータを取ってから設計・製作に入ります。
ですから、建物の工事が終了していないと、準備すらできないのです。
したがって、開校から設置までに時間がかかってしまったのです。
ということは、ガルニエ社のパイプオルガンは、実質的に全てオーダーメードなんですね。

共愛学園小学校のパイプオルガンは、各パイプの太さが標準的なものより少し細く、歌口は少し高い(大きい)そうです。

製作は、木の箱などは天然の素材を使い、作業は職人の手作業です。
今回共愛学園小学校に設置するものは、1700時間の作業時間がかかったそうです。
1700時間の作業時間は、実際の期間は7ヶ月とのことです。
(1700時間÷7ヶ月=一ヶ月あたり243時間÷25日=1日10時間くらいの作業)

そうやって製作されたパイプオルガンが搬入され、設置されますが、
この時も持ってきて置くだけではありません。

組み立てて、パイプの歌口の大きさなどの調整を行い、
再度その部屋に一番合う音を追求しながら設置するそうです。
共愛学園小学校のパイプオルガンは、今この段階です。

ガルニエ社の技術者は、小学生達の礼拝の様子や、賛美歌を歌う様子を実際に見て聴いて、この部屋に合う音をイメージしてから、設置作業を開始したそうです。

私が見に行ったときも、パイプを少しずつ削り、調整をしていました。
パイプは削りすぎると後戻りができないので、削りかすは糸の様な細さです。
職人さんは、「削りすぎるとクビになるんですよ〜」と、笑いながら言っていました。

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これが、調整作業中のパイプです。
鉛と鈴でできているそうです。

ここでパイプオルガンの仕組みを簡単に紹介します。
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これが、パイプオルガンの横のカバーをはずしたところ。
手前のグレーのカバーの中がモーターになっていて、このモーターの力で空気を中に呼び込みます。
その向こうがフイゴになっていて、上の板が上下に動きます。板の上についている金属が重りとなっていて、フイゴが下りる圧力をかけます。
フイゴで送り出された空気は、奥にあるダクトを伝わって上に上がります。

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この写真は、鍵盤の上の部分のカバーを外したところです。

先ほどのダクトから流れて来た空気は、オレンジ色の丸を付けた辺りにたまります。
ここが、「心臓部」とのことです。

鍵盤を押すと、鍵盤のすぐ奥の縦に並んでいる縦の棒が動きます。
その棒の動きが、オレンジ色の丸の部分の棒に伝わり、押した鍵盤に対応した木の部品(オレンジ色の矢印を付けました)が下に下がります。
木の部品が下に下がることにより、できた隙間からたまっている空気が上に流れていき、その上に設置されているパイプに空気が入り、音が鳴ります。

ちなみに、矢印の下のところの白い部分は、空気を漏らさず、かつ棒で動きを伝えるために、羊の皮でできているそうです。

そうやって「心臓部」にたまっている空気がパイプの方に流されると、心臓部の空気が少なくなるために、負圧が発生し、下のフイゴが下がり、新たな空気が心臓部に流れて来ます。

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この写真は、鍵盤の奥の部分を拡大したものです。
鍵盤を押すと、その鍵盤に対応した棒が動きます。
その棒を繋いでいる焦げ茶色の円筒形の部品は、
牛の背中の硬くて厚い部分を使っており、コラーゲンとニスでコーティングをしているそうです。

ちなみに、パイプオルガンの職人になりたい人は、一番最初にこの円筒形の部品を何千個も作ることを命じられ、忍耐力を試されるそうです。

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このパネルは、パイプの周囲を囲んでいる箱のパネルの一部です。
この形も、響きのためにデザインされているとのことです。

周囲の枠の内側のへこんでいるところの対角線の長さと、同じ長さのパイプの音が、このパネルに共鳴するんだそうです。
ですので、どういうパネルを作るかも、設計段階で検討するそうです。

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わかりにくい文章ですが、パイプオルガンのこと、おわかりいただけたでしょうか。
数百年間伝えられている技術に裏付けられ、とても緻密に設計され、
繊細な調整作業を経て設置されていることがわかりまいた。

設置が完了したら、音が聴きたいですね。



 
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