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箏曲家 鈴木創 公式ブログ「ことはじめ」

群馬県前橋市を拠点に活動する箏曲家鈴木創の公式ブログ「ことはじめ」です。

萩原朔太郎

22 1月

楽器のメンテナンスの合間に、萩原朔太郎の自宅跡地を見てみる

こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家、鈴木創です。

今日は、楽器のメンテナンスのために、楽器屋さんを訪問。

そして、作業を待っている間に、ちょっとミニトリップ。


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この鉄塔が何かというと、小さなプレートが貼ってあります。

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萩原朔太郎が東京で自ら設計して建てた家の場所なんですね。

その家やこの鉄塔は萩原葉子さんの小説にも出てきておりますし、その家は葉子さんが子供の頃実際に住んでいて、戦災で焼けてしまったんですね。

現在は周りには住宅が建て込んでおり、実際に朔太郎の家がどこに合ったのかを厳密に示す様なものはありませんでした。あまりゆっくりしていると怪しまれますし、住民の方に迷惑になります。なので、小田急の代田駅まで歩いてみました。5分くらいの距離でしたが、朔太郎が酔っ払って家に帰ってくる様子を疑似体験したかの様な気持ちになりました。

そして、代田駅って、小田急が地下化されているので、ちょっとした公園の様になっているおしゃれな場所でした。

道路は狭いのでちょっと車の運転はしずらかったけど、東京に住むことができたら、こんなところならいいなあとも思える場所でした。 
7 1月

映画「天上の花」を見てきました

こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家、鈴木創です。

今日は、近所の前橋シネマハウスで初日を迎えた映画「天上の花」を見てきました。 
これは、詩人萩原朔太郎さんのお孫さん萩原葉子さん原作の同名小説を原作とした映画で、詩人三好達治と萩原朔太郎の妹アイ(映画中では慶子)のストーリーを描いています。

私は、萩原葉子さんの作品の中で「父・萩原朔太郎」「蕁麻の家」 「閉ざされた庭」「輪廻の暦」は読んでいますが、「天上の花」は読んでいません。私の中では、葉子さんの作品を読むのは、朔太郎がどういう人であったかを知りたいという中での選択であったからかもしれません。

劇中、入山法子さん演じる萩原慶子の表情の変化が、良かったですね。
福井県三国にいる三好達治の元へ行った初日の、期待と軽い戸惑い。
そしてその後どんどんとその生活が自分の思ったものとはかけ離れていき、絶望へと変わっていくその変化が、見事でした。

また、当時の時代背景や社会的な因習なども散りばめられており、今の時代とのギャップも感じます。

萩原朔太郎は、なんかけっこうしかっりした人になっていました。私のイメージでは、もっと繊細で神経質なんですね。

東出昌大さん演じる三好達治ですが、とんでもない描かれ方でした。徐々に精神を蝕んでいるような感じでした。

一目惚れした慶子と結婚できず、その後結婚した慶子のご主人が突然亡くなり、そして自分の妻子を放り捨ててまで北陸の地で慶子と一緒になる。しかし、慶子を遠くに想っていた16年4ヶ月の間で、欲しくても手を伸ばすことすらできない慶子に対する勝手なイメージが膨れ上がり、いざ慶子との生活が実現した時には、実際の生活が思っていたものと違っていることに対する失望と、慶子に対する独りよがりな愛情が、三好自身を追い詰めたのだと感じています。

しかしその描き方が、見ていられないようなシーンもあり、終わった後の舞台挨拶がなければ、嫌な気持ちを抱えたまま劇場を後にしたでしょう。

終演後の舞台挨拶は、プロデューサー、入山法子さん、原作者のご子息で出演もしている萩原朔美さん、按摩役の林家たこ蔵さんがお話をされ、和やかな雰囲気となりました。

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個人的には、三好達治の最初の奥さんである佐藤智恵子さんと、萩原アイ(劇中では慶子)さんがその後どのような人生を送ったのかが気になります。 

まあ、佐藤智恵子さんの叔父さんは佐藤春夫で、 谷崎潤一郎との間で「細君譲渡事件」を起こしておりますし、当時の社会の中で文士というのはなかなか破天荒だったのでしょう。

最後に、私の仕事柄気になっているのが2点。
一つは、三好達治と慶子が出会った時ですが、慶子が箏曲「六段の調」を弾いています。その押し手の音などが不安定なんですね。慶子なのに稽古が不十分なんです。それは敢えてなのかなあ。

もう一つは、ポスターなどに使われている写真の薬指の場所がおかしい!これは、生田流の人であればお分かりいただけると思います。

映画の公式サイトはこちらになります。

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9 12月

まえばしCITYエフエムでアーツ前橋のことをおしゃべり

こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家、鈴木創です。

今日は、前橋市中心商店街協同組合の広報委員として、まえばしCITYエフエムに出演してきました。

普段は広報委員の先輩が出演しているのですが、今回はその方が所用で出演できないので、代打が回ってきたのです。

私がお話をしたのは、現在アーツ前橋で開催されている2つの企画のこと。
それは、
「萩原朔太郎大全2022ー朔太郎と写真ー」
「潜在景色」
です。


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私が実際に見て、思ったこと・感じたことをお話しさせていただきました。
番組パーソナリティの横山麻衣さんもすでにご覧になっており、また参加しているアーティストが番組に来ているということで、私が知らない情報なども追加して下さいました。

これらの企画、私の想像力をいろいろ掻き立てられるものがあります。
そんな素晴らしい時間と空間が身近にある前橋のまちなか、ぜひお出で下さい!

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24 10月

10月23日「前橋まちなか音楽祭 朔Enishi」でした

こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家、鈴木創です。

昨日10月23日、前橋市が誇る国指定重要文化財「臨江閣」にて、「第7回前橋まちなか音楽祭 邦楽コンサート 朔Enishi」を開催しました。

今回は小鼓の今井尋也さんとの共演ということで、お箏と鼓というなかなかない組み合わせで、萩原朔太郎の世界を中心とした構成です。

萩原朔太郎の詩にお箏や鼓で音を入れた詩曲では、朔太郎の世界観を表現するために、敢えて暗い音や不協和音を入れてみたり、また龍笛で別世界に誘う様な空気を出しました。

また、既存に鼓を入れて、私たち二人でしか聞けない内容にする試みも。

演奏中、何度か一の糸の柱が飛んでいくということが起こりました。
何か、朔太郎さんが来ていたずらをしているのでは、感じられる出来事でしたね。

ありがたいことに、お客様にたくさんおいでいただきまして、私たちの世界を楽しんでいただきました。

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楽屋のお弁当は、高校の同級生が経営する前橋市本町の「ソーレマン」にお願いしました。
まちなかで美味しい!
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13 10月

朔太郎の異世界への誘い

こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家、鈴木創です。

今日は、10月23日の「前橋まちなか音楽祭」で共演する今井尋也さんがお見えになり、下合わせをしました。

演奏曲目の中に、萩原朔太郎の詩にオリジナルの音を足して朗読をするという内容があります。

尋也さんと私が交互に朗読をし、私はお箏の音を、尋也さんは能管や鼓の音を入れます。

お箏の音を入れるときに考えたのは、いかに朔太郎の世界観を表現するか。

朔太郎の詩は、読み進めていけばいくほど迷路に入ってきます。
そして、暗い。

その世界を表現できるような音世界を意識しました。

今日、二人で合わせていたら、てつこさんがお稽古場に入ってきました。朔太郎と知らなかったけど「朔太郎みたいだ!」と感じてくれた様で、いつのまにか撮影までしてくれて、Facebookに動画をアップしてくれております。

そんな世界観を、臨江閣でぜひ味わってください!

そして、能管って、すっごい音の圧が高いんですね。
尋也さんに聞いたら、竹を割ってそれぞれを裏返しにしてまた筒の形にしているそうです。
なので、内側が固くなるために、圧のある音が出るということなんです。

先人たちの音へのこだわりと、それを実現する職人さんの技術がすごいですね!

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これが能管。サイズに似つかわしくない、大きな音がでます。

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鼓はこうやって解体してパーツごとに袋に入れて、運びます。

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アタッシュケースに収納。

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