みなさんこんにちは。
はじめちゃんこと、群馬県前橋市の 箏曲家 鈴木創 です。

昨日4月22日、群馬県桐生市にある「彦部家住宅」にて、市民茶会が行われました。
縁あってご招待をいただき、来賓として開会式から参加させていただきました。

「彦部家」は、天武天皇の皇子高市親王を始祖とし、16世紀に桐生市にやって来ました。
現在残る主屋は1580年位に建築されたことがわかっており、重要文化財として指定を受けております。

周囲は山と土塁・堀で囲まれるなど、中世の武家の佇まいを残しております。
現在も敷地内にご当主一家がお住まいです。
そして、文化財も活用されなければならないということでしょうか、毎年大規模なお茶会を開催しております。

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案内看板

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茅葺き屋根の立派な長屋門があります。

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長屋門の内側に主屋があり、1580年頃に建築され、17世紀に改修されたことがわかっております。下の写真は、主屋を別の角度から撮影。

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お茶会の開会式と、その後の濃茶席が、この主屋の中で行われました。

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濃茶席が行われた主屋の「奥座敷」の床の間ですが、この板は1400年代に切り出されたことがわかっております。
京都から桐生へ移住するときに持って来たのではないか、とのことです。

濃茶席で使われた道具。
棗には、裏千家のお家元の銘が入っています。
茶碗は、室町時代に朝鮮半島に発注したものとのことです。
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この日は、主屋の中での濃茶席をはじめ、「冬住み」という隠居所での薄茶席、また野点席にお弁当を食べることのできる点心席、さらには栃木県壬生町の雄琴神社による筑紫舞などが広大な敷地のそこここで行われておりました。

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主屋の脇から奥に入ると、野点席が見えます。

その先は点心席で、懐石のお弁当をいただきました。
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敷地の奥の方は、竹林となっております。
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その中に舞台が作られ、そこで筑紫舞が行われました。
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写真の舞ではないのですが、「祝獅子」(はふりじし)という演目が披露されましたが、その演目を踊れる人たちは、ここで踊った二人しか、日本にいないそうです。ということは、世界でたった二人ということですよね。
 
さらに奥に行くと、このような橋があり、その先には神社群があります。
その中には、日本でただ一つの、「正式な神社ではないところに祀られている八幡様」がいらっしゃいます。
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そして、敷地の外からの様子を紹介させていただきます。

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前の道に面した掘り割りと、石垣。

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石垣と土塁が残されています。
ここは「櫓台」と呼ばれており、かつては櫓があったのでしょうか。
そして、手前は掘り割りですね。

「彦部家住宅」には初めてお伺いしましたが、広大な敷地や竹林は別世界です。
この日は季節外れの夏日で、30度ほど気温があったのですが、竹林の中は、ちょうど良い快適な気温でした。
そんな中で行われているお茶会は、とても規模が大きく、沢山の方がお集まりでした。
このような貴重な文化財を守り、活用されている現ご当主や関係者の方には、本当に頭が下がる想いです。

◇公演日程◇
5月12日・13日:百花繚乱 皐月の宴(京林・高崎市井野町)詳しくはこちら
6月2日:箏×Flute(ハリウッドランドカフェ・みどり市)詳しくはこちら
6月16日:日本の音を愉しむ(PLUS+アンカー、桐生市)詳しくはこちら
6月20日Japonisum...音を愉しむ(Cafe Prele 文化邸、伊勢崎市)詳しくはこちら

◇関連イベント◇
5月3日:観翠会(日本文化体験イベント/高崎白衣大観音慈眼院)詳しくはこちら

◇下記公演については、決定次第お知らせいたします◇
7月21日:夏の縁(竹久夢二伊香保記念館)
8月11日:山田さんと生田くん(アトリエミストラル、高崎市)