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箏曲家 鈴木創 公式ブログ「ことはじめ」

群馬県前橋市を拠点に活動する箏曲家鈴木創の公式ブログ「ことはじめ」です。

高崎芸術劇場

11 2月

高崎演能の会に行って来ました

こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家、鈴木創です。

2月11日、高崎芸術劇場で開催された「高崎演能の会」に行って来ました。
席はなんと、1列目の能舞台中央の正面という特等席!
演者さんと目が合うような距離です!

演目は3つ。最初は仕舞「弱法師」、次は狂言「佐渡狐」、そして能は「山姥」。

仕舞は、独特の緊張感があり、空気が張り詰めています。この時間は、お能を鑑賞する心の準備をする様に、いつも感じます。

そして狂言は一転して、面白おかしい時間。緊張がほぐれます。随所に、野村萬斎さんのオリジナルの演出ではないかと思う部分も入っていました。

そして下平克宏さんによる「山姥」は、現実世界と異世界が交わる世界観を演出。そこに野太い鼓の掛け声が響き渡ります。正直この演目は難しい部分もあったけど、その世界観や空気感を味わうという時間になりました。

いつもながら、お能の総合芸術としての完成度の高さと、研ぎ澄まされた空気感に感心しております。

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27 10月

お能を見てきました

こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家、鈴木創です。

昨日10月26日、高崎芸術劇場で開催された「観世流高崎特別公演」に行ってきました。

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高崎出身の下平克宏さんをはじめ、観世流宗家の観世清和さん、そしてそのご子息で私ども立教大学出身の観世三郎太さんが出演。そして、狂言は人間国宝の野村万作さんが出演という、大変豪華な公演でした。

能というのは、エンターテイメント的な高揚感や楽しさとはちょっと違う感覚に包まれていると感じています。でも、引き込まれるときは引き込まれるし、見終わった時の心が清浄感に満たされた感覚がいいんですね。

そして、合間の狂言は、野村万作さんは出てきただけで場を和ませてくれる空気を持っています。90歳を過ぎたとは思えない、矍鑠とした芸を楽しみました。

幸い、最前列の席に座ることができ、本当に目の前に演者がいる空気感を感じてきました。


2 3月

高崎芸術劇場で、人間国宝や観世宗家の芸に触れる

こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家、鈴木創です。

今日は風が強かったですね。
車を運転していると、西部劇でコロコロ転がっている草(調べたら「ダンブルウィード」というそうです)の様に、ゴミの袋が転がってきて、それを避ける様に前の車が急に進路変更をする様な場面もありました。

そんな今日ですが、高崎芸術劇場に「高崎演能の会 特別公演」を見に行ってきました。
「特別公演」というだけあって、出演者もとても充実しています。

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まず、仕舞では3人の方が舞いましたが、年齢も幅広く、若い人の力強い声と踊りもいいですが、ベテランの円熟した味のある芸も見応えがあります。

次の狂言では、人間国宝の野村万作さんが出演。御歳91歳とは思えない矍鑠とした芸なのですが、「演じている」という空気感はまったくなく、自らのなかから自然に出てくる演技がそのまま役になっているという印象を受けました。

舞囃子では、二十六世観世宗家の観世清和さんが舞台を務めました。舞台に上がり、正座したときから、ご本人だけ持っている空気感が違うんですね。舞もまったく力むところがないのですが、それでいてしっかりとした芸になっており、野村万作さんと同じ様に、自らのなかから出てくる動作がそのまま芸になっている感じでした。そして、終始、空気感が凛とした佇まいなんです。

能は「安宅」。弁慶を、高崎市出身の下平克宏さんが務めました。殿田謙吉さんが務める関守富樫何某との命をかけたやりとりは、圧巻です。そして、あの能舞台の上に演者だけでも14人が乗るのは、迫力ありましたね。

義経を演じた清水義久さんは、まだ小学校高学年くらいでしょうか。声の出し方など、これからの成長に期待しますが、さすが仕草や、ずっと座っている様子など、しっかりと修行をしていることが伝わってきました。

やはり、芸は、きちんと身につけること。それは、演じるのではなく、自らの中から出てくるものが自ずと芸になる。その境地なんだということが、ジャンルを超えても同じなのだということを実感しました。

それにしても、富樫何某は、安宅の席を義経一行を通過させてしまい、あとで頼朝から処罰がなかったのでしょうかねえ?(笑)

 
10 7月

お能を堪能

こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家、鈴木創です。

今日は午前中、温故和楽会の理事会に出席。
事務局員としての働きをさせていただきました。

午後は、高崎芸術劇場に行き、下平克宏さんのお能を鑑賞。
お能の演目が2つと、とても見応えのある世界でした。

「敦盛」と「葵上」だったのですが、平敦盛の亡霊と、六条御息所の生霊ということで、どちらも現実の人間ではない霊が出てきます。
「敦盛」では、若く亡くなった平家の若武者の無念を思い、胸が熱くなりました。 

帰宅して、夜は大学関係の打ち合わせがあり、その後事務作業に追われていました。

やらなければならないことがけっこうあります、、、 

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13 7月

能、道成寺を堪能

こんにちは。はじめちゃんこと群馬県前橋市の箏曲家、鈴木創です。

今日は高崎芸術劇場で行われた能を見てきました。

演目は、道成寺

地歌にも「新娘道成寺」という似て非なる曲があるのですが、それを聴きながら高崎に向かいました。

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シテを務めるのは、高崎市出身の能楽師下平克宏さんです。

道成寺は、私がかねてからとても見たかった演目。
ご案内をいただき、すぐに申し込みました。

今回の道成寺は、群馬県で初の上演とのことです。
というのも、能舞台に鐘を釣る滑車や紐を結ぶ丸環がないと上演できず、群馬県にはそれらの設備を備えた能舞台がなかったのだそうです。

高崎芸術劇場にそういった条件が整った能舞台ができたからこそ、今回の上演が可能になりました。(写真に赤い丸をつけておきました。)

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感想ですが、圧巻でした!
終わった時に、口から自然と「はーっ」と息が出たくらい引き込まれました。

特に、小鼓の激しい気合の入った掛け声と打つ音、その中での白拍子の空白の長い動き。クライマックスシーンにむかって緊張感が高まります。

そして、鐘が落ち、白拍子が鐘に飛び込む最大の見せ場は、会場全体が、言葉は出ないけど静かな興奮状態になりました。

その後、僧侶の祈りにより鐘が上がり、白蛇に変身したシテが顔を上げた瞬間の空気感は、会場にいた全員に、強い印象を与えたでしょう。

込み入ったシーンや激しい動きはごく一部なのですが、どのシーンもすごく印象に残りました。

道成寺は、能楽師にとって、生涯に一度勤められるかどうかという大きい演目とのことです。

それだけの大舞台であることを物語る様に、いつもより人数の多い地謡の皆さんは裃を付け、笛や太鼓のみなさんも長袴に裃です。後見の人数も多く、ものすごい人の力が結集された舞台であることが伝わってきます。

そして、私はやはり、何がこんなに私を惹きつけるのか、何が舞台に人々を集中させるのか、終演後、それを考えながら前橋に戻ってきました。

素晴らしい舞台、堪能いたしました。
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