みなさんこんにちは。群馬県前橋市の 箏曲家 鈴木創 です。

9月28日、群馬県立中央中等教育学校を訪問してきました。
同校は、元々は「群馬県立中央高等学校」という高校で、私が高校生の頃は、「中央高校」と呼ばれていましたが、2004年に群馬県初の公立中等教育学校として再編・開校した、中高一貫校です。

教育理念として「地球市民としての日本人」を掲げ、グローバルな視点や課題解決力を身に付けることを目指しており、スーパーグローバルハイスクール指定校にもなっております。
校内には「日本文化学習室」という部屋もあり、お箏やお三味線が常備されており、書道や百人一首の学習にも使われているということです。
そのほか、管弦楽部の活動も活発で、群馬音楽センターで定期演奏会を開催するなどの活動を行っています。

今回は、「平成29年度日本伝統文化体験」という時間に講師としてお呼びいただきました。
中間テスト終了後の午後、体育館に全校生徒が集まり、1時間半程度の講習です。

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お箏やお三味線の歴史、楽器の構造や素材などについて話しをさせていただき、
その中で、お箏の曲・お三味線の曲をお聴きいただきました。
みなさん、とても真剣で、興味深そうに頷いてくれたり、頻繁にメモをする姿が見えました。

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また、事前に担当の先生から、「当日生徒が楽器の演奏を体験できないか」というお話をいただいたのですが、せっかくなので体験する生徒さんには、ちゃんとした体験をしてほしいと思い、希望する数人の生徒さんには7月中旬から練習していただき、私も数回訪問してお稽古を行い、今回の講習の最後の時間に、全員で合奏をしました。

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ほぼ初めて触る楽器を、2ヶ月の練習で、それも全校生徒の前での演奏という状況ですが、みんなとてもよく演奏することができました。その努力と度胸に、私も嬉しくなりました。

終了時に、生徒会長さんからお礼の挨拶を頂いたのですが、
「学校でこういった機会を造っていただかないと、なかなか触れる機会がない」という主旨のお話がありました。
残念ながら、今の日本人の日常生活の中で、日本の文化に触れることはなかなかありません。
ですので、「敷居が高そう」「触ったことがない」といったイメージを持つ方が多いです。
しかし、実際に触れていただき、音を聴いていただいたりすれば、「楽しい」「音が綺麗」などと感じていただき、その良さを実感していただけます。
ですので、こういった機会をなるべく多く行い、日本の皆さんに、日本の文化の素晴らしさに触れていただきたいです。

今回の実現にご尽力して下さった皆様、また合奏に参加してくれた6人の生徒さん達、本当にありがとうございました。