こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家鈴木創です。

昨日4月4日は、昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)で開催された「美登利会」に出演させていただきました。


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お客様は定員の半分までで、全員マスク着用。そしてチケットには名前や連絡先を記入するという対策を行いました。

私たち出演者や係員も、名前・連絡先・最近の発熱や症状の有無などを記入した用紙を提出、そして演奏直前までマスク着用という、感染症対策を行った上での出演です。

前半は、若柳吉駒先生のお弟子さんを中心とする演目です。
どの舞台も、最大3名までの出演者で、舞台上の密を防いでおります。

本当に小さいお子さんから、高校生・大学生、さらには大人までが、精一杯に舞台を努めておりました。

そして、後半が「三代目若柳吉駒リサイタル」です。

一曲目は、「万歳」

これは、太夫と才蔵で鼓を打ちながら賀詞を歌い合うといった曲で、おめでたい歌詞が並べられています。

山田流の曲なので、今回初めて勉強をさせていただきました。

この曲で吉駒先生がお使いの扇が、初代吉駒先生(三代目の祖母)の師匠の形見の品で、そういった意義深い舞台のお手伝いをさせていただくことに、深い責任を感じました。

今回はお三味線一挺で演奏させていただきましたが、どのお三味線を使うか、またどの駒を使うかを、音響の方の意見も聞きながら決めました。

弾いているうちに、「やはりお箏と合奏したいな」と思ってきて、今回をきっかけに、この曲にこれからも取り組んでいきたいですね。

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この写真は、ちょうど本調子から二上がりに調子を変える時ですね。


二曲目は「千鳥の曲」です。

緞帳が上がった際に、舞台上にスモークがたちこめる幻想的な演出が行われました。

吉駒先生は、白地に墨で波の裾模様のある衣装で踊られました。
弾いていると、目の前に本当に千鳥が飛び跳ねている様な気分になってきました。

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そして、二曲の合間には、葛西聖司さんによるお話しです。
曲の解説や吉駒先生の想いなどをお話しされ、そして、私とのトークセッションもありました。上手に私の考えていることなども引き出していただきました。

前日に多少の打ち合わせはあったものの、ほぼオールアドリブです。
中には雑談で話したことが話題になり、「それ、ここで言うの〜」とちょっと動揺した瞬間もありましたが(笑)、とても楽しい時間でした。
地歌の紹介という話題もあり、「黒髪」の冒頭を少し弾かせていただきました。

葛西さんは、日本の文化や邦楽への造詣が非常に深く、日本舞踊へのコメントも的確で、とっても素敵な方でした!

写真を見ると、短髪メガネという基本構成が一緒ですね(笑)


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歴史と伝統ある美登利会が、昨年の中止があったものの、今年は万全の対策で開催できたことが、とてもおめでたく、そしてそこに出演させていただいたことに、心から感謝いたします。

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※舞台の写真は、「ヒゲおじさん」こと、吉駒先生のご主人からご提供いただきました。ヒゲおじさんのブログにも「美登利会」のことが紹介されております。ご覧になってください。