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箏曲家 鈴木創 公式ブログ「ことはじめ」

群馬県前橋市を拠点に活動する箏曲家鈴木創の公式ブログ「ことはじめ」です。

お茶会

28 4月

彦部家屋敷茶会にて演奏させていただきました

こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家鈴木創です。

本日4月28日は、群馬県桐生市にある重要文化財彦部家住宅で開催された、市民茶会で演奏させていただきました。


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彦部家の入り口、長屋門。

このお茶会は、彦部家の敷地の中に、「濃茶席」「野点席」「薄茶席」の三カ所のお茶の場所と、お食事ができる「点心席」があります。

一日に数百人の方が来場されるので、どうしてもお茶席の待ち時間ができてしまいます。
その間に、音楽などを楽しんでいただきたいという主旨で、毎年音楽や舞踊などの時間が設けられております。

また、特設舞台が作られているところが、敷地内の「竹ヶ岡八幡宮」の目の前のため、奉納演奏という面もあります。


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屋外なので音が飛んでしまうことが心配でしたが、
反響板機能をもった立奏台を使ったため、心配なくお聴きいただけました。

近くの「野点席」の方からは、「BGMみたいだった」という感想もいただいていた様なので、結構遠くまで音が聞こえたんですね。

ただ、風がちょっと吹き、葉や虫がけっこう飛んできましたね(笑)

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共演は、琴古流尺八の牧原笳童さん。

特設舞台の後ろは、竹林です。
尺八の音を、風にそよぐ竹の葉の音の中で聴いていると、ふと、瞑想に誘われる様な気持ちになり、心の中の邪念が洗われるような気持ちになりました。

お茶会のため、お客様は着物の方も多く、華やいだ雰囲気でしたね。

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終演後に、野点席でお抹茶をいただき、ほっと一息つきました。

この広大な敷地の文化財を守り、活用している彦部家。
その活躍に深い敬意を表すと共に、桐生市の、そして群馬のもつ宝物として今後もご協力できれば、と考えております。
 
23 4月

彦部家屋敷市民茶会

みなさんこんにちは。
はじめちゃんこと、群馬県前橋市の 箏曲家 鈴木創 です。

昨日4月22日、群馬県桐生市にある「彦部家住宅」にて、市民茶会が行われました。
縁あってご招待をいただき、来賓として開会式から参加させていただきました。

「彦部家」は、天武天皇の皇子高市親王を始祖とし、16世紀に桐生市にやって来ました。
現在残る主屋は1580年位に建築されたことがわかっており、重要文化財として指定を受けております。

周囲は山と土塁・堀で囲まれるなど、中世の武家の佇まいを残しております。
現在も敷地内にご当主一家がお住まいです。
そして、文化財も活用されなければならないということでしょうか、毎年大規模なお茶会を開催しております。

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案内看板

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茅葺き屋根の立派な長屋門があります。

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長屋門の内側に主屋があり、1580年頃に建築され、17世紀に改修されたことがわかっております。下の写真は、主屋を別の角度から撮影。

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お茶会の開会式と、その後の濃茶席が、この主屋の中で行われました。

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濃茶席が行われた主屋の「奥座敷」の床の間ですが、この板は1400年代に切り出されたことがわかっております。
京都から桐生へ移住するときに持って来たのではないか、とのことです。

濃茶席で使われた道具。
棗には、裏千家のお家元の銘が入っています。
茶碗は、室町時代に朝鮮半島に発注したものとのことです。
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この日は、主屋の中での濃茶席をはじめ、「冬住み」という隠居所での薄茶席、また野点席にお弁当を食べることのできる点心席、さらには栃木県壬生町の雄琴神社による筑紫舞などが広大な敷地のそこここで行われておりました。

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主屋の脇から奥に入ると、野点席が見えます。

その先は点心席で、懐石のお弁当をいただきました。
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敷地の奥の方は、竹林となっております。
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その中に舞台が作られ、そこで筑紫舞が行われました。
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写真の舞ではないのですが、「祝獅子」(はふりじし)という演目が披露されましたが、その演目を踊れる人たちは、ここで踊った二人しか、日本にいないそうです。ということは、世界でたった二人ということですよね。
 
さらに奥に行くと、このような橋があり、その先には神社群があります。
その中には、日本でただ一つの、「正式な神社ではないところに祀られている八幡様」がいらっしゃいます。
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そして、敷地の外からの様子を紹介させていただきます。

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前の道に面した掘り割りと、石垣。

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石垣と土塁が残されています。
ここは「櫓台」と呼ばれており、かつては櫓があったのでしょうか。
そして、手前は掘り割りですね。

「彦部家住宅」には初めてお伺いしましたが、広大な敷地や竹林は別世界です。
この日は季節外れの夏日で、30度ほど気温があったのですが、竹林の中は、ちょうど良い快適な気温でした。
そんな中で行われているお茶会は、とても規模が大きく、沢山の方がお集まりでした。
このような貴重な文化財を守り、活用されている現ご当主や関係者の方には、本当に頭が下がる想いです。

◇公演日程◇
5月12日・13日:百花繚乱 皐月の宴(京林・高崎市井野町)詳しくはこちら
6月2日:箏×Flute(ハリウッドランドカフェ・みどり市)詳しくはこちら
6月16日:日本の音を愉しむ(PLUS+アンカー、桐生市)詳しくはこちら
6月20日Japonisum...音を愉しむ(Cafe Prele 文化邸、伊勢崎市)詳しくはこちら

◇関連イベント◇
5月3日:観翠会(日本文化体験イベント/高崎白衣大観音慈眼院)詳しくはこちら

◇下記公演については、決定次第お知らせいたします◇
7月21日:夏の縁(竹久夢二伊香保記念館)
8月11日:山田さんと生田くん(アトリエミストラル、高崎市) 
  



 
12 11月

お茶会から学んだこと

みなさんこんにちは。群馬県前橋市の 箏曲家 鈴木創 です。

先日11月10日、前橋市敷島町の讃岐うどんと創作料理のお店、「賀門」さんで開催された、「銀杏の会」にゲストとして参加させていただきました。

銀杏の会チラシ

(補足:この「銀杏の会」ですが、ホームページには日時と場所だけ記載させていただきましたが、その時点で申し込みが満席になっていたので、ブログでのお知らせはしておりません。) 

「銀杏の会」は、
第一部:お食事
第二部:お茶会
第三部:音楽を楽しむ

という構成になっており、私は第二部のお茶会でのBGM的な演奏と、第三部の演奏を担当させていただきました。ちなみに、第二部は「茶音頭」という曲を三絃で演奏いたしました。「茶音頭」は、元禄年間に作曲された曲で、男女の情愛をお茶の道具などに例えた歌詞となっております。

この日に学んだことが、二つありました。

一つ目:「ご馳走」「おもてなし」
 
食事・お茶会共に、この「銀杏の会」を企画されて当日お点前をされた塚越則子さんが中心となってご準備をされたのですが、準備や心配りが大変細部にまで行き渡っているのです。
例えば、
・食事で使っているお膳は、今回蔵の中から数十年ぶりに出し、 綺麗にした。
・設えにある柿や銀杏の葉などは、木がたくさん生えているところに行き、探した。
・銀杏の柄があるお茶碗は、わざわざ探して京都から取り寄せた。
・食事に使われている銀杏の形の練り物は、市場に行って探した。
などです。

お茶会の趣旨や季節にあった準備を整え、お客様に楽しんでいただくために、どれだけ時間や労力などをかけて準備されたのか、後で内々にお話をお伺いし、とても驚きました。 
そういう見えない準備があるからこそ、皆さんが楽しめる会が実現されているということを感じました。

「ご馳走」の本来の意味は、準備のためにいろいろ走り回り、美味しいものなどを準備すること、ということなのですが、その言葉の意味や、お客様に楽しんでいただきたいという「おもてなし」の心を学びました。 

二つ目:無駄のない段取りの大切さ

20名以上の方に食事やお茶を準備するには、大変たくさんの道具や食器などを準備する必要があります。それらの道具類は、塚越さんのご自宅などから持ってきて、賀門さんに運び込まなければなりません。

また、お客様へお膳をお出しする時の皆さんの動きを見ていると、準備をしている部屋にお膳やお皿などを置く段階で、お客様へお出しする時の動きを考えて配置されていることがわかりました。
お膳にお茶や食べ物を乗せる順番や、お膳を運ぶ時に持つ向きも、お客様の前でスムーズにお出しできる様に、考えられていました。

さらに、お膳を下げる時も、お客様の席からバックヤードの部屋に行く間に、「ここで湯のみを下げ、ここで器を下げ、ここでお膳を置く」という流れがちゃんと成立しており、さらにはその流れが、後片付け道具類を箱にしまうまでの流れに繋がっていました。 

きちんと事前に流れを考え、準備をしておけば、無駄な時間や失敗を減らし、スムーズな進行を実現し、それがお客様への余裕ある対応に繋がるということなのだと思います。

私はけっこうせっかちなので、いつもセカセカしていて、その結果慌てて物を落としたりすることが多いのです。
今回の「銀杏の会」で学んだことを、生き方や芸の上でも生かして行きたいです。 
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