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箏曲家 鈴木創 公式ブログ「ことはじめ」

群馬県前橋市を拠点に活動する箏曲家鈴木創の公式ブログ「ことはじめ」です。

正座

31 3月

正座椅子、合引き

こんにちは。はじめちゃんこと、群馬県前橋市の箏曲家鈴木創です。

お箏やお三味線を弾くときは、椅子に座って引くこともありますが、私は基本的には正座です。 
お陰様で、あまり正座の習慣がない方に較べれば、長時間の正座も平気です。

でも、一日中お稽古を続けた夜や、長い合奏練習の時などに、膝が痛くなることもあります。
特に、そんなタイミングでお三味線を乗せたときには、膝が辛いですよね。。。

そんな時のために、正座の椅子をいくつか準備しています。

でも、高さが高すぎると、太ももの角度が変わってしまい、お三味線が弾きにくくなります。
また、軽くてコンパクトな方が、持ち運びもしやすいですね。

そんな条件を考えて、今までは、下の写真のものを使っていました。


2020-03-31 17.11.21

これは、両方とも高さが10cmくらいです。
左のものは、座面がクッションになっています。
これ以上高いと、お三味線が弾きづらくなります。
これでも、本当はもうちょっと低い方がいいですね。

で、この2つは折りたたみ式になっていて、折りたたむと下の写真の様になります。


2020-03-31 17.11.32

この状態でのサイズは、縦×横×高さ(単位cm)で、
左:13×20×5
右:12×22×4
となります。

重さが
左:552g
右:250g
と、右の方が圧倒的に軽いです。

また、「合引き」と呼ばれているものも世の中にはあります。
歌舞伎用語で、舞台の上で役者さんが使う椅子なのですが、その一番低いものが、お三味線などの世界でも使っている人がいます。

でも、指物師さんが作っているので、ちょっと値段がお高いんですね、、、

偶然、ネットで見つけた邦楽器店のブログで、再生品の合引きが紹介されていて、比較的にお手頃な値段になっていたので、取り寄せてみました。

2020-03-31 13.40.30
収納の時はこんな感じになっています。
サイズは、12×18×3cmと、上記2つよりも薄いですね。

重さは259gと、上記の木製のものとだいたい同じ。
ですので、上記2つと較べると、一番持ち運びがしやすいはずです。

比較するとこんな感じ。

2020-03-31 16.53.09
 
組み立てた時の高さは、だいたい同じです。

2020-03-31 16.52.02
 
この合引き、どうやって組み立てるかというと、まずは下の写真の様に、上下2層に板がくっついているのですが、上の層の小さな板2枚をスライドさせます。

2020-03-31 13.40.41
 
とっても良く出来ていて、左右にスライドさせた小さな板の裏側に、オスメスのオスになっている部品があり、下の大きな板にちょっと見える、「ハ」の形のメス溝にはめることで、パーツが一体化します。

そして、上の写真の小さな板のそれぞれ内側にあるオスの部分を、下の大きな板の「ハ」の形のメスの溝にスライドしてはめ込みます。それが下の写真です。

下の写真で立ち上がっている板の内側に斜めに着いている部品が、上の写真で説明をした、オスの部分です。

そして、下に転がっている部品は、板の同じ形の穴にはまっています。

2020-03-31 13.41.26

そして、その部品を、脚の溝にはめて、完成です。

2020-03-31 13.42.07

裏返して、椅子のように使います。

2020-03-31 13.42.21

実際に組み立ててみると、本当に合理的に良く出来ています。
また、とっても高い技術が必要で、指物師さんの仕事に感心します。

しばらく、これを使ってみようと思います!

 
2 7月

「邦楽ジャーナル」に掲載された文章への私見

みなさんこんにちは。
はじめちゃんこと、群馬県前橋市の 箏曲家鈴木創 です。

私共邦楽の世界には、「邦楽ジャーナル」という月刊の情報誌があります。
ここ数ヶ月、その誌上で邦楽の楽器の販売数が過去に較べて激減していることや、現在の邦楽が置かれている現状に対する提言などが紹介されております。

最新刊である7月号には、「外から見た邦楽」として、コロンビア大学のアメリカ人日本研究家の文章が掲載されました。
現在の邦楽がおかれている状況の原因の一つに、明治維新以降の「和楽器は洋楽器に較べて原始的」と見なされて洋楽器教育が優先されていることなど、概ね指摘事項には同意できる部分があります。

しかし、何カ所か、激しい違和感を憶えました。
とくに、
「どういうわけか、邦楽演奏家の多くが、音楽とは無関係で歴史的に正しい訳でもない着物に執着し、床に座って演奏するのです。」
という文章です。

着物が歴史的に正しいのか、それは私はわかりません。
ただ、着物は必然的なものと私は考えております。

特にお三味線です。

右足の上にお三味線を乗せますが、着物の場合、右足の上に布の合わせの端が来るので、そこにお三味線を乗せるとお三味線が安定します。
袴も、袴の生地の上にお三味線がしっかり乗って、安定します。

お三味線を弾くときは、右手を胴の上に置きますが、素肌で置くのが一番安定します。
シャツの袖があると、滑るんです。ですので、洋服の場合は、右手の袖をまくることもあります。これは見た目があまり良くなく、舞台の上ではみっともないですね。
その点、着物は袖をめくることも必要なく、自然に素肌を胴の上に置くことができます。

正座ですが、これは比較的長い期間演奏やお稽古をされている方はおわかりかと思いますが、椅子に座る演奏よりも、正座の方が断然体の安定感があります。
お箏は上半身を使いますが、これも正座の方がやりやすいと感じております。

「演奏会告知などでよく見かける着物姿の写真はどれも同じ」などとも表現しております。
洋楽のクラッシックの方でも、ほぼ例外なく、男性はタキシード・女性はドレスです。はっきり言って、「写真はどれも同じ」という言葉がそのまま当てはまるのではないでしょうか。

私は、演奏のスタイルとしては、会場の都合やその演奏のコンセプトによって、椅子に座るスタイルも行っておりますし、黒紋付き以外の着物も着ますし、時には洋服での演奏もしております。

また、この文章の中には、流派のことや、親師匠とお弟子さんの関係などのことにも触れられております。確かに、指摘の様な問題もあります。しかし、私共の年代では、そういったことをこれからは変えていかなくてはならない、という認識を持っている人が多く、変えようとしているんです。そういう現状を知らずに、邦楽界全体の共通認識の様な文章には違和感を憶えました。

確かに、この研究者の文章は、概ね同意できるところがあります。
しかし、一昔前の状況しか見ておらず、私たち世代の取り組みの認識がなく、さらには次への具体的な提案もないんです。
一つの視点として大変参考にはなりますが、違和感の多い文章です。


□公演日程□
7月21日:夏の縁(竹久夢二伊香保記念館)詳しくはこちら
7月28日:弦が繋ぐ世界(カフェヒュッゲ、高崎市)くわしくはこちら
8月11日:山田さんと生田くん(アトリエミストラル、高崎市)詳しくはこちら
9月24日:前橋まちなか音楽祭 糸と皮の対話(煥乎堂ホール/前橋市) 詳しくはこちら

◇下記公演については、決定次第お知らせいたします◇
9月15日:日本の音を愉しむ 足利(レストランビアンベニュー、足利市)      
24 3月

お稽古で喉と足が、、、

みなさんこんにちは。
はじめちゃんこと、群馬県前橋市の 箏曲家 鈴木創 です。

本日は、朝一番からお稽古の連続でした。
お稽古が終わった頃は、喉と足が疲れてしまい、体はヘトヘト。

しかし、次の演奏のために、自分の練習もしなければなりません。
足を休める意味もあり、立奏台を使って練習しました。
来週以降の演奏は、立奏台使用なので、ちょうど良いです。
さらに、歌がある曲も少ないので、喉も休憩。

ちょうど良い感じに足と喉が回復してきたので、
その後は正座してお三味線で地歌の曲の練習でした。

もうちょっとで帰宅しますが、ちょうど良い気持ちいい疲れです。
ビール買って帰ろ!
6 2月

お稽古日でした。正座ができなくても、椅子に座ってお稽古ができます。

みなさんこんにちは。
はじめちゃんこと、群馬県前橋市の 箏曲家 鈴木創 です。 

今日はお稽古日でした。
多くのお弟子さん達がお稽古場にお見えになり、
私も足や喉が大分疲れました。

私は、「楽しくしっかりと」という方針でお稽古をしております。
言うべきことは言わせていただいております。
ですので、みなさんお稽古が終わるとぐったりされるそうですが、
そのかわり「もっと練習しなきゃ!」と思っていただいているみたいですね!
お弟子さんがいい音が出せたりと、レベルアップした姿を見るのはとても嬉しいです。

お稽古は、マンツーマンで向かい合います。
こんな感じ。

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手前に私が座り、奥にお弟子さんが座ります。

基本的には正座をしますが、
体の具合や、年齢などで正座ができない方は、椅子に座ってお稽古をできます。
私たちが「立奏台」と呼んでいる、専用の台の上に、お箏を乗せます。

こんな感じです。

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逆光で見づらくて申し訳ありません、、、

椅子に座ってお稽古をされている最高齢の方は80台の方がいらっしゃいます。

正座に自信がない方も、遠慮なくお出で下さい!


 
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